■脂肪酸 |
脂肪酸には、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があります。
肉等の動物性脂肪には「飽和脂肪酸」が多く含まれ、脂肪そのものもカロリーが高く肥満になりやすく、動脈硬化を促進します。
魚の油は「不飽和脂肪酸」といい、このうちリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸の三つは不可欠な脂肪酸で、これらが不足すると発育障害、皮膚炎の原因となります。また、魚の油のDHAやEPAが動脈硬化の予防に効果があるとされています。
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(1)DHA(ドコサヘキサエン酸) |
1. |
欠乏すると記憶力や学習能力の低下、心臓病、脳卒中、血栓症、高コレステロール、高中性脂肪などを起こします。 |
2. |
血液を固まりにくくする働きがあり、動脈硬化を防ぐ効果があります。 |
3. |
ガンを抑制する作用があります。 |
4. |
血中のコレステロール濃度を低くします。 |
5. |
アレルギーを起こすヒスタミンやロイコトリエンを防止する作用もあり、アレルギー疾患の予防になります。 |
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(2)EPA(エイコサペンタエン酸) |
1. |
欠乏すると、動脈硬化、心臓病、脳卒中、血栓症、高脂血症などを起こします。 |
2. |
血管を拡張し、血圧を下げる効果があります。 |
3. |
血小板凝集抑制作用
血が固まるのを防ぐ作用があります。血が固まれば脳梗塞、心筋梗塞を引き起こすが、血液の粘度を低下させるのでそれらを防止します。 |
4. |
肥満を抑える、脂肪細胞の増加を抑える働きがあります。 |
5. |
血液中の中性脂肪を低下させます。 |
6. |
HDL(善玉コレステロール)を増加させ、LDL(悪玉コレステロール)を抑える働きがあります。 |
7. |
アレルギー、喘息、アトピー性皮膚炎などを抑える作用もあります。 |
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(単位) |
秋さけ(生) |
和牛肩ロース |
豚肩ロース |
エネルギー |
kcal |
133 |
411 |
253 |
タンパク質 |
g |
22.3 |
13.8 |
17.1 |
飽和脂肪酸 |
g |
0.66 |
12 |
6.93 |
脂質 |
g |
4.1 |
37.4 |
19.2 |
カリウム |
mg |
350 |
210 |
300 |
カルシウム |
mg |
14 |
3 |
4 |
ビタミンA |
μg |
11 |
3 |
6 |
ビタミンD |
μg |
32 |
0 |
0 |
ビタミンB1 |
mg |
0.15 |
0.06 |
0.63 |
ビタミンB2 |
mg |
0.21 |
0.17 |
0.23 |
ナイアシン |
mg |
6.7 |
3.2 |
3.6 |
コレステロール |
mg |
59 |
89 |
69 |
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■脂質 |
秋さけは、豚肩ロースの1/5、和牛肩ロースの1/9とヘルシーなことがわかります。また、ぎんざけ(市販品は養殖魚)の生に対しは1/3 (脂質12.8g)です。 |
■たんぱく質 |
秋鮭のタンパク質は他の魚肉よりも消化・吸収が良いことで知られており、子供・病人や高齢者にも最適の魚といえます。 |
■カリウム |
細胞内の浸透圧を維持し、余分な塩分の排泄をします。また、細胞の活性維持作用があり、老化を防止します。 |
■カリシウム |
骨を作り、細胞を活性化させます。子供の成長を促し、老人の骨粗しょう症を予防します。 |
■ビタミンA |
視覚の正常化、成長及び生殖作用、感染予防があります。また、発ガン物質を抑制する効果があります。 |
■ビタミンD |
カルシウムの吸収を助け、骨の形成にはかかせない栄養素。肉にはない栄養素の一つです。 |
■ビタミンB1 |
糖質の代謝には不可欠な栄養素。脚気(かっけ)の予防になります。 |
■ビタミンB2 |
栄養素の代謝に有効な栄養素。欠乏すると口角炎(唇の脇の炎症)、眼球炎、脂漏性皮膚炎などがあり、子どもは成長障害が起こります。 |
■ナイアシン |
体の中に最も多量に存在するビタミンです。欠乏すると皮膚炎、下痢、精神神経障害(不眠症等)を引き起こし、子どもは成長障害が起こります。 |
■アスタキサンチン |
さけは、本来白身の魚です。赤い色素は、アスタキサンチンと呼ばれ、サケ・マスに特有で、ほかの魚や牛肉・豚肉などには含まれていません。このアスタキサンチンには、胃ガンのほか一般のガンの予防にも効果があるのではないかと病理学者が注目しています。
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